*あらすじ
ニューヨークの街で、謎の巨大モンスターに襲われる少女。ドクター・ストレンジが助けに入るが、彼女には見覚えがあった。素性をたずねると、マルチバースを行き来できる力があるという。彼女のために、ワンダ・マキシモフのもとへ訪れ協力を願い出るストレンジ。しかしワンダはある計画を抱いていた。
※注意:以降の文章には、作品の内容に関する記述が含まれています。
*注目のマルチバースは
今作はタイトルのとおり、マルチバース(並行宇宙)が主なテーマで、監督がサム・ライミさんに交代したこともあり、個人的には『ドクター・ストレンジ』一作目の続編という雰囲気はあまり感じられなかったです。
また、ストレンジのオリジナルストーリーを掘り下げるというところは薄かったと思います。その点で悲しかったのは、ストレンジの兄弟子・モルドがほぼ脇役になってしまっていたこと(しかもマルチバース側のモルドしか登場しない)。強いヤツなのにもったいない、ぜひ次作でメインヴィランになってほしいです!
マルチバースについては、自分が想像し期待したものではなかったです。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ですごく興奮したこともあって、どうしても期待が膨らんでしまい…。そのスパイダーマンのマルチバース展開と比べると、“どっひゃ〜!感”は薄かったかな…。出せばいいもんでもないんだな〜と学んだような気がしました。
と言っても、つまらないわけじゃない!サム・ライミ監督の描いたマッドネスはすごくユニークで楽しく、たしかに狂気じみていました。劇中の数々の“サム・ライ味”は「MCUの新風になっているな!」と感じました。
*ライミ節炸裂
その“ライ味”に染まったワンダが、良い意味でかなりエグいです。「そういう方面にもっていったのかあ!」と。たしかに彼女にはそういう側面があって、違和感なし。むしろ「そう描いてくれてありがとう!」と、ワンダの存在感を引き出し、高めてくれたことに感謝です。ライミ監督だからこそできたことで、相性もよかったんだなあ〜、きっと。だから、めちゃくちゃ見ごたえあります。ドラマ『ワンダヴィジョン』のときのワンダもいて、アベンジャーズで集まったときのワンダもいて。さまざまな側面の彼女を見られて、すてきだったし楽しかったです。
あと個人的に好きなのが、はじめに出てきた目玉モンスター。なんだか、瞳がかわいくて。倒されたときに「ギュポン!」と鳴って(?)いたのもツボでした。
キャラクターたちの今後はもちろん気になるし、お決まりのエンドクレジット後の謎もありますが、ストーリー自体は変に跡を残さずモヤモヤもなくスッキリ終わったように見えました。
今後といえば、物語の最後、街をさっそうと歩き出したストレンジを見て「ようやく自分のための穏やかな時間を取り戻せたのかもね、よかったよかった…」と思ったら!えらいことになってるよ!最後まで“ライ味”から目が離せない!
そういえば劇場でまさかのドラマ『ワンダヴィジョン』パンフレットが売ってて即買い!ラッキーでした。さらに今作のパンフレット、特装版(?)は通常版と数百円差なので、ぜいたくしてもいいかな〜と併せて買っちゃいました。
日本公開:2022/5/4
監督:サム・ライミ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ
エリザベス・オルセン
キウェテル・イジョフォー
…ほか
美術:チャールズ・ウッド
衣装:グレアム・チャーチヤード
音楽:ダニー・エルフマン
鑑賞日:2022/5/5(ピカデリー)
コメントを残す