*あらすじ
町が“竜巻”に襲われる。懸命に逃げる主人公ダニ―。途中気を失ってしまい、目覚めると病院のような施設で拘束されていた。そこには医師を名乗る女性と、風変わりな少年少女が4人。施設の不穏な雰囲気に戸惑うダニーは脱出を試みる。じつは映画『X-MEN』シリーズ13作目。
※注意:以降の文章には、作品の内容に関する記述が含まれています。
*一番ヤバいミュータントって…
いきなりネタバレなんですが、ダニ―(ミラージュ)はシリーズ最恐レベルのミュータントであることが発覚します。彼女の能力は、相手の過去のトラウマや恐怖対象を具現化させるというもの。よくもまぁこんな怖ろしい設定を考えられるもんだ…。スーパーヒーローやミュータントの中でとくに危険なのは、人の精神に影響をあたえる能力をもつヤツなんだと再認識させられました。プロフェッサーXとかね。心や頭の内側から攻撃されりゃあ、どんなに強いヤツでもまいっちゃいます。
施設は、まだ能力をうまくあつかえない、若いミュータントたちの保護・育成機関でありました。話が進むにつれて、徐々に「ダニ―はヤバいぞ…」とわかるんですが、その時点で彼女が即殺処分対象となってしまいます。ものすごい手のひら返しっぷりにちょっと笑っちゃいました。
*自身も能力にのまれる設定がおもしろい
物語の冒頭で“どんな人にも心の中で二匹の熊を飼っている”というネイティブ・アメリカンのことわざが紹介されます。一匹は善い熊、もう一匹は悪い熊。そいつらは永遠に戦っているんだよ、というもの。悪い熊は「恐怖と恥辱と自己破滅をもたらす」と言われ、ダニーの心にも住みついていました。彼女の能力が目覚め、それに自分も影響されてしまった(暴走)結果、悪い熊が現実に形づくられてしまいます。巨大でどす黒く、恐れの象徴として最高のビジュアルだなと、私はかなり気に入りました。圧倒的でそんなかんたんには立ち向かえないし、ふり払えない。現実で実際に恐怖に遭遇したときも、そんな熊のように見えます。ジーン・グレイの不死鳥とどっちが強いのか、怪獣映画みたいに戦ってほしいですね。
*アニャちゃんを楽しむ映画
メインとなるミュータント5人は若く、今をときめく俳優が演じています。観ていて新鮮だし、かわいいです。とくに、アニャ・テイラー=ジョイ演じるイリアナ(マジック)はかわいいし能力がめちゃかっこいい!片腕が甲冑をつけたように武装され、手には青白くかがやく剣が。悪い熊とサシで戦えちゃう強さです。そんなのズルい、ぜったい惚れるじゃん!しかし性格は悪いぞ!アニャちゃんのコロコロ変わる表情を愛しむ映画でもあります。
*もの足りなかったこと
キャラクターや能力の表現、俳優のフレッシュさなどすばらしい点も多く夢中になれますが、ストーリーが小規模です。ちょっともの足りないかもしれません、上映時間94分。各キャラクターの生い立ち紹介が短いことももったいない。なので、もし続編があるのなら、いい感じのスタートは切れていると思いました。つづきの製作ないのかしら~、ないよね~…。マーベル・シネマティック・ユニバースで、同じ俳優でキャラクターが登場してくれたらうれしいですね。
また、マーベル初のホラー、異色作ということで当時注目されました。けど、あれ…ホラー味はほぼ感じず。ホラー好きとしてはその点も無念でした。
日本公開:劇場未公開
監督:ジョシュ・ブーン
出演:メイジー・ウィリアムズ
アニャ・テイラー=ジョイ
チャーリー・ヒートン
…ほか
美術:ロイック・ツィンマーマン
スティーブ・ クーパー
ラヴィ・バンサル
衣装:リーサ・エバンス
ヴァージニア・ジョンソン
音楽:マーク・スノウ
鑑賞日:2022/2/5(ディズニープラス)
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